高齢者に多い骨折について知ろう


皆さんは高齢者に多い骨折ってご存知ですか?


私の病院では、リハビリ対象患者様のほとんどが整形外科疾患です。しかも、その大半が骨折になります。骨折は、運動機能を大幅に低下させ、日常生活に大きな影響を及ぼします。そのため、私たち理学療法士は骨折後、また手術後のリハビリを行い、自宅復帰、社会復帰を目指すわけなんです。

今回は高齢者に多い骨折は何か、どのように診断され治療が行われるか、骨折しないために今からできることは何かをシンプルにわかりやすくお伝えする。


1.高齢者に多い4つの骨折

「広島県医師会より引用』


覚えるのは4つ

→「背骨」「脚のつけ根」「腕のつけ根」「手首」


その中で特に多いのが、「背骨」「脚のつけ根」になります。これらの骨折はどのようにして起きるのでしょうか?


2.骨折の原因

①骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

加齢とともに骨の強度が落ちることで、転倒や少しの外力で骨折してしまいます。下の図のように骨の中がスカスカな状態を指します。


「佐藤整形形成外科HPより引用」


②転倒

①で述べました骨粗鬆症がある方は転倒することで簡単に骨折します。若い人は尻もちをついても骨折しないですよね。ここで注意したいのが、背骨の骨折は重いものを持ち上げたり、くしゃみをするだけも骨折する可能性があるのです。また、背中が丸くなったり(円背)、身長が低くなるなどの変化が、骨折の重要なサインとなるので注意が必要です。


3.診断

診断はドクターによって行われます。まずは、レントゲンをとり、診断がつかない症例でも、CTやMRI画像を撮影をすることで診断を行います。


4.治療

保存療法と手術療法があります。保存療法とは、骨折部の安定が得られるまで数週?数ヶ月間、骨折部の安静を保ち、骨癒合するのを待つというものです。手術療法は骨折部を手術を通して安定させるものです。下記は大腿骨頸部骨折後と手術後の画像です。骨折した部分を人工物に置き換える手術を行っています。骨折の状態によって手術方法は異なります。また、保存療法、手術療法後にはリハビリを行います。


5.予防

◯食事

カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨の形成に役立つ栄養素を積極的に摂りましょう。そうすることで、骨強度を高め骨粗鬆症を防ぐことが出来ます。

◯運動

骨の強度を高めるためにも転倒を防ぐためにも運動は欠かせません。運動には片足立ちが有効と言われていますが、若い方は運動習慣を身に付けることが大切かと思います。前に投稿した「ロコモティブシンドロームを知ろう」を読んでいただければ転倒との関連性がお分かり頂けると思います。


今回は、高齢者に多い骨折についてまとめてみました。若い方は転倒することも少ないですし、転んだからといって簡単には骨折しません。しかし、高齢になると様々な原因で骨折しやすい状態になります。将来簡単に骨折したくないですよね?


次回はこの投稿でも述べました”骨粗鬆症”についてお伝えしたいと思います。皆さんに知って頂きたい内容となっておりますので是非。


最後までお付合い頂きありがとうございました。


では、また!!




理学療法士である私が伝えたい事

自分の体・心のことを知っていますか? 医療の事をことをどれだけ知っていますか? 医療現場での経験を元に、皆さんが知るようで知らない医療・リハビリ・健康に関する情報を シンプルにわかりやすくお伝えします。

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